私が中小企業診断士試験の経済学の講師を始めてもう4年目。そろそろ次の世代に交代しようと考えている今日のこの頃です。

中小企業診断士の試験の中で経済学というのは、「本業(=経営コンサルティング)と関係ない科目」とされ、ほとんどの診断士を取得された方は合格後に内容を見直す機会もないかと思います。

ただ、私は、そんな経済学の講師を本当にやっていてよかったと思っています。
それは何故か。先ず第一に講師になってから経済関連の新聞記事などはよく目に付くようになり、中小企業の経営者と話しているときに経済の話になっても恥をかかないこと。第二に(最も良かったことは)マクロ経済学の「乗数効果」という概念を講義があるごとに思い出し、初心に戻れるところです。

特に若手の診断士の皆さん、このマクロ経済学の「乗数効果」って覚えていますか?

(政府)乗数効果というのは、政府が(補助金など)を支出した際に、その何倍もGDPが創出されるという概念です。

私は独立間もない頃、ありがたいことに先輩診断士からのご紹介で、商工会議所さんの仕事をさせていただく機会をいただき、現在もコーディネーター業務やコンサルティング業務など、多くの仕事をいただいております(恐らく売上全体の2割位を占めます。)。

ただ、この商工会議所からの仕事も政府(東京都など)からの補助金で成り立っているものがほぼ全て。ただ、自分の仕事がどの程度GDPの創出に貢献できているのか定量的にわからないのも事実…
そんな中なので、私は仕事を引き受けた以上はとにかくベストを尽くし、いただいている謝金の何倍ものGDPが創出できるように努めています。商談会への企業誘致活動の仕事であれば、で目標数の120%達成や、コーディネーター業務のKPIが商談数であればKPIの150%を何が何でも達成するなど。

ただ、残念なことに中には「商工会議所の仕事=日銭を稼ぐ仕事」、「謝金が安いの手を抜く仕事」、と考えている診断士も少なくないようで、特にここ一か月でそれが表面化し、何名かの診断士がクレームを多発させ、様々な商工会議所の経営指導員の方から相談を受けています。

私は、中企業診断士の仕事はあくまで「中小企業に寄り添い、相談を受け、助言することで微力ながらも日本のGDPの創出に貢献すること。」だと考えており、「補助金・助成金の無駄遣いを助長、または自分自身が補助金を食い潰してしまうこと。」では絶対にないと考えています。
(そんな状況では、中小企業診断士が日本を経済破綻に追い込む一要因を作り兼ねません。)

私もまだまだ貢献できているとは言えませんが、これから独立する・または独立して間もない診断士の方々には、診断士の1次試験の経済学で学んだ「乗数効果」という概念を忘れずに、日本のGDPの創出に一緒に貢献していって欲しいと考えています。