先日、第1回 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の採択結果の通知が各申請者に郵送であり、当社のご支援先からは無事採択されたとのご連絡をいただきました。これで旧制度である「革新的事業推進のための設備投資支援事業」の実績を含めると当社の採択率は66.7%となりました(平均の採択率は非公表ですが15~20%と言われています)。

第2回の募集告知は10月初旬なる見込みですが、申請のサポート実績があるコンサルティング会社がほとんどないとのことで、当サイトに問い合わせを多数いただいている状況です。

そこで今回は、本助成事業の概要と申請のポイントについてお話させていただきます。

助成事業の概要
令和2年まで実施されていた「革新的事業展開設備投資事業」の後継事業で、「稼ぐ東京」をスローガンに、令和3年に新事業として本事業は誕生しました。
最大1億円、機械装置やソフトウェアなどが助成対象で、「最新設備を複数台導入して生産性を向上させたい」、「DX化を推進させ劇的に効率化を進めたい」などを検討されている事業者におすすめの助成事業です。
一方で、全体の採択率は非公表ですが、「革新的事業展開設備投資事業」の説明会時の事務局の質疑応答の回答などによると、採択率は概ね15~20%程度と最難関の助成事業といっても過言ではないでしょう。

何故、難易度が高いのか。
では、なぜ難易度が高いのか?ここでは、当社が今まで支援させていだいた旧事業「革新的事業展開設備投資事業」の5社と「第1回の躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の1社の実績を元に記載させていただきます。当然ながら、所感が含まれているためご留意ください。

1.審査基準がざっくりである
第一に本助成事業の審査基準のざっくりであることが挙げられます。例えば、国のものづくり補助金などは、募集要項内の数ページにわたり審査基準の記載があり基準が明確なのですが、本助成事業の募集要項には下記の数行しか記載がありません。


※下記、募集要項抜粋
(3)審査の視点
ウ 事業計画視点(一次審査・二次審査)
事業計画の【㋐目的の適合性、㋑優秀性、㋒実現性、㋓成長・発展性、㋔計画の妥当性】について審査します。


このように審査基準が“ざっくり”であるが故に、「事業計画書に何を記載したらよいかわからない…」と悩む申請者も少なくないようです。

2.10カ年の収支計画書の作成が必要である
本助成事業では、ワードの指定フォーマットでの事業計画書(=定性的な根拠の記載)の作成以外に、エクセルの指定フォーマットでの10カ年の10カ年の収支計画書(=定量的な根拠の記載)の作成が必須となっています(他の補助事業では3~5年が一般的)。
この10カ年の収支計画の作成が、この助成事業の難易度を更に高めていると言えます。

3.面接審査がある
この助成事業の一番の特徴は、一次審査(書類審査)を通過すると二次面接として面接審査があることです。ほとんどの助成事業は書類審査のみなので、この面接審査があることはこの助成事業の難易度を高めていると言えるでしょう。
尚、面接審査は、合計30分程度(事業者による口頭説明5分、質疑応答20分※入退時間を含む)で行われます。

申請のポイント
1.“稼ぐ東京”を意識して事業計画書を作成する
本助成事業はスローガンの如く、「稼ぐ東京」を実現できる中小企業の支援を目的としています。これは、「稼ぐ東京を実現できる中小企業に助成金を交付しますので、その代わり事業計画を実行し収益を着実に上げ、しっかり税金の納付し貢献してください。」と同義だと私は考えています。
審査基準がざっくりで不明確である以上、事業計画書全体で、“稼ぐ東京”の実現できる事業計画であることをしっかりアピールできているかが、採択率を高めるポイントと言えるでしょう。

2.根拠性のある収益計画書を作成する
根拠性のある収支計画書は、1の事業計画書(=定量的な根拠)でせっかく“稼ぐ東京”をアピールできたとしても定量的な根拠である収支計画書で売上や利益などの数字的な根拠が不明確だと事業計画書の説得力もなくなってしまします。
“10年後のことになんてわからない”と思う事業者様もいらっしゃるかと思いますが、仮説でもよいので、既存顧客や新規顧客などに分解するなどし、数字的な根拠を明確にすることが必要です。

3.当事者意識をもって申請に取り組む
最後のポイントとしては、「申請に際して当事者意識をもって対応すること」です。採択される事業計画書や収益計画書の作成には、中小企業診断士などの経営コンサルタントのサポートが必要になることがありますが、申請書類の作成をコンサルタントに依存し過ぎるのは要注意です。何故ならば、特に本助成事業は、面接審査があるため、コンサルタント主導で計画を策定してしまうと、面接審査の口頭説明で自分の言葉で話ことが難しく説得力に乏しいプレゼンテーションになったり、審査員から重箱の隅をつつくような質問されてしまうと答えられないでしょう。また、当事者意識がないと仮に採択されても事業計画通りに進まず、結局、補助金・助成金が企業の成長や経営改善に活かせず、無駄になってしまいます。

以上、申請のポイントについてお話させていただきました。次回の第2回の公募要領の発表は2021年10月初旬、申請開始は12月中になる見込みです。
申請をご検討されている方は本コラムの内容などを参考にしていいただき、入念な準備の元、申請に挑まれることをお勧めします。また、必要に応じて我々のようなコンサルタントにサポートを依頼することもご検討下さい(ただし、自社で作成できるのであればそれに越したことはありません。)。

最後まで、読んでくださりありがとうございました。