新規顧客開拓の必要性を感じたら最初にやるべきこと
新規顧客開拓の必要性を感じたら、最初にやるべきことは何でしょうか?
広告を出す、展示会に出る、SEOに取り組む。
多くの企業が、「各新規顧客開拓手法を実施すること」から始めようとします。
「ん?間違っていないのでは?」そう感じた方も多いかと思います。
しかし、実はこれは順番が違います。
それでは、あらためて質問です。
新規顧客開拓の必要性を感じたら、最初にやるべきことは何でしょうか?
結論から言うと、それは
「既存顧客へのコンタクト」です。
「ん?なぜ新規顧客開拓なのに既存顧客なの?」
そう感じた方も多いのではないでしょうか。
実はここに、新規顧客開拓がうまくいくかどうかの分かれ道があります。
なぜ新規顧客開拓の前に既存顧客なのか
新規顧客開拓というと、「新しいことをやる」というイメージが強いですが、いきなり開拓手法の実施から入るのは非効率です。
その理由は大きく2つあります。
新規開拓はすぐに成果には繋がりにくい
ほとんどの新規顧客開拓手法は、短期的には成果に繋がりにくいというのが実情です。広告やSEO、展示会などは、準備や検証の時間が必要であり、すぐに売上に直結するケースは多くありません。Web広告は、他の施策と比べると短期的に成果に繋がりやすい傾向がありますが、それでも実際に成果に繋がるまでには、一定の時間がかかります。
一方で既存顧客は、すでに信頼関係が構築されているため、
- 追加提案(クロスセル・アップセル)
- 他部署への展開
- 紹介の促進
といった形で、比較的短期間で売上につながる可能性があります。
つまり、
「すぐに売上を上げたいなら既存顧客への深耕営業」
「新規開拓は中長期的な視点」
という考え方が必要です。
新規開拓は「強み」が明確でないと必ず失敗する
もう一つ重要な理由があります。
それは、新規顧客開拓は
「強み」が明確でないと必ず失敗するということです。
それでは、「強み」とは何でしょうか?
実は、強みとは単なる「良い点」ではありません。
顧客から選ばれる理由そのものです。
例えば、
- 品質が高い
- 対応が丁寧
- 納期が早い
こうした内容を“強み”として挙げる企業は少なくありません。
もちろん、これらは大切な要素です。
しかし、多くの場合、競合他社も同じようなことを言っています。
つまり、「良い点」だけでは差別化になりにくいのです。
重要なのは、
- なぜ数ある会社の中から自社が選ばれたのか
- なぜ価格ではなく自社に依頼してくれたのか
- なぜ継続して取引してくれているのか
という「選ばれる理由」です。
例えば、
- 小ロットでも柔軟に対応してくれる
- 試作段階から相談できる
- 技術者同士で直接会話できる
- レスポンスが早く安心感がある
など、顧客が実際に価値を感じているポイントが「選ばれる理由」になります。
この強みが曖昧なまま新規顧客開拓を実施しても、成果にはつながりません。
そして、この「選ばれる理由」は、社内だけで考えていても限界があります。
強みは既存顧客が教えてくれる
では、自社の強み(顧客から選ばれる理由)はどのように明確にしてくのか。
答えはシンプルです。既存顧客に聞くことです。実際に選んでくれている顧客こそが、
「なぜ自社を選んだのか」、「どこに価値を感じているのか」 を知っているはずです。
つまり、「新規顧客を増やすために」、「まず既存顧客に聞く」という、一見逆のアプローチが最も合理的なのです。
最初にやるべきは既存顧客アンケート
既存顧客へのコンタクトの中でも、最初に取り組むべきは既存顧客へのアンケート調査です。
なぜなら、このアンケートには、
- 既存顧客への深耕営業につながる
- 新規顧客開拓の事前準備になる
という2つの大きな意味があるからです。
既存顧客への深耕営業につながる
まず一つ目は、既存顧客への深耕営業です。アンケートを通じて、「新たな課題」、「追加ニーズ」「他部署展開の可能性」などが見えてくるケースは少なくありません。つまり、アンケートそのものが既存顧客との接点となり、深耕営業のきっかけになります。
新規顧客開拓の事前準備になる
そして二つ目が、新規顧客開拓の事前準備です。既存顧客へのアンケートを通じて、自社の強みを把握することができます。そして、その強みの整理を通じて、顧客ニーズや強みを最も評価するターゲット顧客なども明確になってきます。
つまり、このアンケート結果が、その後の新規顧客開拓の精度を大きく左右するのです。
なお、ここでいう強みとは、単なる「良い点」ではありません。「顧客から選ばれている理由」そのものです。
強みは「良い点」ではなく「選ばれる理由」
多くの企業では、「高品質」「丁寧な対応」といった“良い点”を強みとして捉えがちです。
しかし、それだけでは他社との差別化にはなりません。
重要なのは、「なぜ競合他社の中から自社が選ばれたのか」、「どの点が取引開始の決め手になったのか」という「顧客から選ばれている理由」を知ることです。
そして、この「選ばれる理由」は社内では客観的に見えにくいものです。だからこそ、既存顧客に直接聞く必要があります。
実際に自社を選んでくれている顧客こそが、
- どこに価値を感じたのか
- どの点が決め手だったのか
を教えてくれます。
ただし、実は既存顧客へいきなり口頭で聞いても、特に長く取引して親交が深い既存顧客ほど言語化が難しいケースがあります。
そこで、有効なのがアンケート調査です。
アンケートの設計方法
アンケートを設計する際のポイントは、「記述式」にすることです。よくある「満足・普通・不満」といった選択式のアンケートでは、表面的な評価しか見えにくく、「なぜ選ばれているのか」までは把握しづらいケースが少なくありません。
そのため、顧客の言葉で回答してもらえるような記述式の質問を設計することが重要です。
例えば、以下のような質問が有効です。
- 当社を知ったきっかけは何ですか?
- 数ある会社の中から当社を選んでいただいた理由は何ですか?
- 当社に依頼する際、不安だったことはありますか?
- 実際に取引してみて、良かった点はどこですか?
- 改善すると、さらに取引が広がりそうな点はありますか?
このような質問項目にすることで、①選ばれる理由(強み)、②顧客が感じている価値、③改善すべき点(弱み)、④今後の提案機会などを一度に把握することができます。
また、アンケートは紙ベースでも実施できますが、最近ではGoogle Formsなどを活用することで、簡単に作成・配信することができます。
メールで送付できるため、既存顧客にも依頼しやすく、回答の集計もしやすい点がメリットです。
新規顧客開拓は「順番」で決まる
ここまでを整理すると、新規顧客開拓で成果を出している企業は、いきなり新規顧客開拓手法の実施から入るのではなく、最初に現状分析を行っています。
なぜなら、「自社の強みが曖昧」、「ターゲット顧客が不明確」という状態で新規顧客開拓を実施しても、成果には繋がらないからです。
一方で、成果を出している企業は新規顧客開拓を以下の順番で進めています。
- 既存顧客に聞く
- 強みを言語化する
- ターゲットを決める
- 開拓手法を選ぶ
- 実行して改善する
つまり、重要なのは「とりあえず実施すること」ではなく、「設計してから実行すること」です。特に中小企業は、大企業のように大量の広告費や営業人員を投下できるわけではありません。
だからこそ、
- 誰に
- 何を
- どのように伝えるか
を事前に整理した上で、新規顧客開拓を実施することが重要になります。設計してから実行することで、施策の精度は大きく変わります。
まとめ
新規顧客開拓というと、「全く新しいことをやる」ことに意識が向きがちです。
しかし実際には、いきなり広告や展示会、SEOといった施策から入るのではなく、まずは現状分析を行うことが重要です。
そして、その中でも最初にやるべきことは、「既存顧客に聞くこと」です。
既存顧客へのアンケートを通じて、
- 自社の強み
- 顧客ニーズ
- 強みを最も評価するターゲット顧客
などを整理することで、その後の新規顧客開拓の精度は大きく変わります。
一見遠回りに見えるかもしれません。
しかし、このステップを飛ばしたまま新規顧客開拓を実施しても、施策は空回りしやすくなります。
「新規顧客を増やしたいのであれば、まずは既存顧客にコンタクトを取る。」
ここからスタートすることで、新規顧客開拓の成果は大きく変わります。
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