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中小企業が成果に繋げるための新規開拓の基本

2022年度以降、政府系金融機関や民間金融機関によるいわゆるコロナ融資の元金据置期間が終了し、元本の返済がスタート。更には、物価高騰などの影響により、多くの中小企業において収益構造が悪化し、厳しい経営状況となっています。
このような状況の中、業績回復のため営業力の強化や新規開拓の必要性を感じている中小企業の経営者の方は多いのでないでしょうか。
そこで本記事では、小規模・中小企業が成果に繋げるための新規開拓の基本についてお伝え致します。

新規開拓の必要性

新規開拓は、企業規模・業種業態に関わらず必ず必要な営業施策です。ここでは2つの視点から新規開拓の必要性を解説します。
①持続可能な事業成長を実現するため
営業には既存顧客と新規顧客への2つのアプローチがありますが、日本の人口減少などの影響により、ほとんどの市場・分野も規模の縮小傾向が続く見込みのため、既存顧客に対する普段通りの営業活動のみでは売上げは必ず減少していきます。
既存顧客への営業に加え、新規開拓もしっかりと実施して始めて、持続可能な売上成長を実現が可能となります。

②不測の事態の業績低迷リスクを避けるため
新規開拓のもう1つの必要性として不測の事態に対処するためという視点があります。現在は安定した取引先を確保していても、競合他社の出現や取引先の業績低迷などにより、この先も契約が継続できるとは限りません。
特に売上が1社~数社で大半を占める売上既存体質の企業の場合は喪失リスクも高い状態と言えます。業績が安定しているうちに新規開拓に取り組むようにしましょう。

短期的に売上・収益の拡大を図りたいときは

業績不振や資金繰りの悪化などにより、短期的に売上・収益の獲得が必要な場合は、新規開拓ではなく、既存顧客への深耕営業を最優先で行いましょう。何故かというと、新規開拓は短期的には成果に結び付きづらく、成果を出すには中長期的な視点が必要なためです。既存取引先へのコンタクト回数の増加や他の製品・サービスの提案、まだ取引していない他部署の紹介のお願い、協力企業の紹介のお願いなど、考えらえる対策を洗い出し計画的にアプローチしてきましょう。

 

新規開拓の種類

営業手法(新規開拓の手法)には様々な種類があり、下図がその一例となります。
これらの手法は大きく分けて「プッシュ型営業」「プル型営業」があります。

プッシュ型営業の例

まず、プッシュ型営業は、「押す営業」という意味で、起点は「営業パーソン」です。テレアポや飛び込み営業など、会社や営業パーソンが自らお客様にアプローチを掛けていく営業手法のことを指します。

プル型営業の例

次に、プル型営業は、「引く営業」という意味で、起点は「顧客」です。Webサイトやリスティング広告など、顧客から会社や営業パーソンへの問い合わせや相談から営業がスタートする営業手法のことを指します。

営業(新規開拓)はこの「プッシュ型営業」と「プル型営業」という2つに分かれ、新規顧客を成功させるには、この2つをうまく組み合わせ、相乗効果を発揮させる必要があります。

 

新規開拓の流れ

次に下記が新規開拓の大まかな流れとなります。それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

1.強みとターゲット顧客の選定

新規顧客の開始前に“自社(製品)の強み”と“ターゲット顧客”を明確にしましょう。
何故なら、強みとターゲット顧客を明確にすることで、皆さんの商品・サービスは顧客に高付加価値(高単価)で選ばれやすくなり、新規開拓実施の効果が高まるからです。

下記に強みの洗い出し方法とターゲット顧客の検討方法の一例を示します。

強みの洗い出し方法の例

①自社製品・サービスのSWOT分析を行う

オーソドックスな方法ですが、様々な視点から分析を行うことで、見逃していた強みを導きだせる可能性があります。

②自社のWebページの検索キーワードを確認

Google Search Console等で検索キーワードを確認します。共通の検索キーワードがあればそれが、強みに繋がるかもしれません。

③単刀直入に既存の顧客に聞いてみる

既存のお客様に「どうして当社の製品を購入していただいているのですか?」などと聞いてみましょう。気付いてなかった隠れた強みが出てくる可能性があります。また、記述式のアンケート調査なども有効です。

ターゲット顧客の検討方法の例

①ターゲットは既存市場か?新市場か?

「自社(製品)の強みが発揮できるかどうか」や「市場の成長性」などで総合的に検討します。

②新市場であればどの市場か?

基本は皆さんが新たに取引したい顧客(=高い金額で買ってくれるお客さん)がいる市場を選びます。仮説でもいいので選ぶことが重要です。

③広過ぎず、狭過ぎず、強みを活かせる範囲で絞る

B to B(対法人)であれば、業種・業態、事業規模(売上・店舗数)、地域エリア、従業員数など。B to C(対個人)であれば年齢、性別、嗜好、属性などで絞ります。

2.新規開拓手法の選定

自社製品の強みが明確になりターゲット顧客も決まったら、ターゲット顧客にアプローチ可能な新規開拓手法を検討しましょう。前述した通り、新規開拓をより成果に繋げるためには、「プッシュ型営業」と「プル型営業」をうまく組み合わせ、相乗効果を発揮させる必要があります。
先ずは、可能性のある開拓手法は全てピックアップして行きましょう。

 

3.全体スケジューリング

新規開拓手法をピックアップしたら、各新規開拓手法をいつ、誰がやるか、をスケジューリングして行きましょう。特に、相乗効果を狙う開拓手法同士は、実施する順番も重要なため、全体のスケジュールで順番を検討します。

 

4.各新規開拓の実施

全体スケジュールに基づき、各新規開拓をPDCAを回しながら実施することで成果に結びつけます。新規開拓の実施後(Do)にしっかり効果測定(Check)を行い、その結果を元に改善(Action)することで新規開拓の効果がより高まります。

新規開拓全般に言えることですが、新規開拓の効果が上がらない原因としてPlan(計画)とDo(実行)に注力し、Check(効果測定)とAction(改善)をしっかり行っていないことが挙げられます。例えば、展示会出展時は出展だけで終わらせず、目標としたKPI(名刺獲得数や初回面談数)などを達成できたのか? 未達だった場合は何が原因だったのか? などをしっかり分析し、次の出展に活かすことが重要です。

 

5.フォロー営業の実施

新規開拓の実施後は、アプローチした顧客にフォロー営業を行います。新規開拓がうまく行かない理由の一つがこのフォロー営業を怠っているケースです。下のグラフが代表的な新規開拓後の見込み客の割合です。
様々な開拓手法がありますが、「今すぐ顧客」は全体の数%~10%以下、そして残念ながら「ニーズなし顧客」は50%以上いることがほとんどです。「今すぐ顧客」は皆さんフォローを行いますが絶対数が少ないため、
新規開拓でより成果を出すためには一定数存在する「いずれ顧客」をリスト化し、いかに定期的にフォローするかです訪問、電話、メール、メルマガやニュースレターなどを上手に使い分け、「いずれ顧客」を中長期的に効率よくフォローします。

まとめ

以上の中小企業が成果に繋げるための新規開拓の基本となります。いかがでしたでしょうか?お伝えした通り、新規開拓を成果に結びつけるためには中長期的な視点が必要です。
上記のポイントや流れを押さえ、計画的に新規開拓に取り組むようにしましょう。

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