中小企業が展示会出展で成功に繋げるためのキャッチコピーの作り方
展示会に出展をするからには、多くの来場者にブースに立ち寄ってもらい、商談・受注につなげたいものです。しかし、大企業を含めた多くの出展社がいる会場内で、中小企業の小さなブースに目をとめてもらえるのはほんの2~3秒間。その2~3秒で来場者が興味を持たなければそのブースには立ち寄りません。そこで重要なのは、キャッチコピーです。
本記事では、中小企業が展示会出展で成功に繋げるためのキャッチコピーの書き方についてお話します。
展示会のキャッチコピーとは
展示会でのキャッチコピーとは、①ターゲット顧客が、②思わず足を止めてしまうような、③20文字程度のメッセージ。のことを言います。
このキャッチコピーとその見せ方で展示会の効果はガラリと変わります。
キャッチコピー作成の事前準備
キャッチコピーを作成する前に、まずは下記の2つを検討しましょう。
①ターゲットを絞り込む
展示する商品・サービスを決め、ターゲットを絞り込みます。展示会のキャッチコピーでターゲット顧客に「これは私のことだ」と思ってもらうことが重要です。「ターゲット顧客を絞り込むとブースへの訪問者が減るのでは?」と思われるかもしれませんが、ターゲット顧客を絞り込まないキャッチコピーは、結局は誰の心にも響かず、ブースへの来訪にはつながりません。
②機能や特徴ではなく顧客のメリットを考える
特に開発に苦労した新製品などを展示する場合は、「○○機能はすごい」、「△△の特徴は他社製品にない」などと伝えたくなります。しかし、来場者が聞きたいのは、機能や特徴ではなく、その製品・サービスを使うことによって得られるメリットです。課題が解決される、苦痛から解放される、喜びを得られる、ことが重要です。なるべく顧客視点でメリットを検討するようにしましょう。
展示会のキャッチコピーの基本的な書き方
次に展示会のキャッチコピーの基本的な書き方です。キャッチコピーを作成するときは、「①誰に(ターゲットに)」、「②何を(商品・サービスの売りを)」、「③どう伝えるか(表現を工夫する)」の3つの視点で考えていきます。
①誰に
まず、「①誰に(ターゲットに)」では、文字通りその製品サービスを使用するターゲット顧客を想定します。出展する展示会、展示する製品・サービスを念頭におきながら、しっかり絞り込んでおくことが重要です。ここでポイントなのは、キャッチコピーにターゲット顧客を明記することは必ずしも必要ではなく、ターゲット顧客を想定した上で、「②何を」「③どう伝えるか」を考えるということです。
③何を(商品・サービスの売りを)
次に「②何を(商品・サービスの売りを)」では、商品・サービスの機能や特徴を可能な限り、その商品・サービスを使用する顧客の立場になり、その顧客の「メリット」の視点で考えていきます。
③どのように(表現を工夫する)
③最後に、「どう伝えるか(表現を工夫する)」では、「誰に」「何を」を考慮した上で、様々な視点・発想から、どう表現したらよりインパクトのあるキャッチコピーになるかを検討していきます。
【キャッチコピーの例】
一例として、ある企業の「フッ素樹脂塗装ボルト」のキャッチコピーを考えてみます。この「フッ素樹脂塗装ボルト」は、この会社の独自技術である特殊なフッ素樹脂塗装を施した製品で、国内外の競合他社の製品に比べ錆びにくい(海水に浸しても50年間錆びない)という特徴があります。塩害の影響を受けやすい海に近いプラントの配管のボルトの締結などによく使用されています。
この会社のウェブサイトや商品カタログには、下記のような表現でこのフッ素樹脂塗装ボルトの特徴が記載されています。
「世界トップシェアのフッ素樹脂塗装」
「日本が誇る最強防錆被膜ボルト・ナット」
この表現でもフッ素樹脂塗装ボルトの特徴は伝わりますし、商品カタログ上の表記としては問題ありません。ただし、展示会出展時は一瞬でターゲット顧客に刺さる(=足を止めてもらう)キャッチコピーにする必要があります。
上述の展示会のキャッチコピーの基本的な書き方に沿って検討すると、次のように考えることができます。
①誰に(ターゲット顧客に) → 錆びの発生に困っているプラントエンジニアに
②何を(商品・サービスの売りを)→ このフッ素樹脂塗装ボルトを使用すれば、錆びずに定期のメンテナンスや交換が不要になることを
③どう伝えるか(表現を工夫する)→「50年」などの具体的な数値で表現しインパクトを与える
その結果、キャッチコピーは
「プラントエンジニアの皆さまへ。海水でも、50年錆びないボルトです!」
「プラントエンジニア必見!海辺でも、50年交換不要です!」
などと表現することができます。
いかがでしょうか?キャッチコピーの基本的な書き方に沿って検討することで、ターゲット顧客のプラントエンジニアにより刺さる(=思わず足を止めてしまう)表現になります。また、 “プラントエンジニア”を省いてより短い文字で、
「海水でも、50年錆びないボルトです!」
「海辺でも、50年交換不要です!」
などとメリットと表現のみのキャッチコピーでも、ターゲット顧客である「錆びの発生に困っているプラントエンジニアは足を止めるでしょうから“プラントエンジニア”は省いても問題ありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はキャッチコピー検討の事前準備と書き方についてお伝えしました。展示会のキャッチコピーを考える際は、展示会担当だけではなく全社的に取り組み、多くの候補を出した方がよいキャッチコピーが出てきやすくなります。また、キャッチコピーは「これが完成形だ!」というものでもないので、展示会への出展を重ねるごとに来場者の反応を見ながらより良いものに変えていくのもポイントです。
セールス・トータルサポーターズでは、小規模・中小企業向けに営業の仕組み作りや、営業のDX化支援、営業パーソンの育成、展示会出展を含めた新規顧客開拓支援などの“営業力を最大化するサポート”をしています。
営業に課題を感じている小規模・中小企業の皆さまは、セールス・トータルサポーターズにお問い合わせください。
この記事へのコメントはありません。