中小企業はなぜ、展示会出展で成果に繋がらないのか?成果を100倍にするポイントを解説
“展示会出展”という新規開拓手法が成果に繋がらない元凶ではない!
「過去に展示会に出たことあるんですけど……うまくいかなかったんです。やはり展示会出展という手法自体が、当社の製品には向いていなかったんだと思います。」
こうした声をよく耳にします。しかし、多くの場合「展示会そのものが悪い」のではなく、どの展示会を選び、どのように準備し、どうフォローするかという取り組み方に課題があります。つまり、展示会は正しく活用すれば強力な新規顧客開拓手法1つになり得るのです。
実際に、当社が展示会の出展支援を行った企業では、ほぼ例外なく新たな取引先の獲得や商談化など、具体的な成果に結びついています。大切なのは「なんとなく展示会に出展すれば、何かしらの成果が出るだろう」という認識を改め、戦略的に展示会を活用する視点を持つことです。そうすれば展示会は、皆様の確実に成果を生み出す場へと変わります。
中小企業の展示会出展が成果に繋がらない理由
多くの中小企業が展示会に出展しても成果を得られないのは、展示会そのものではなく、選定や準備、運営、フォローのやり方に問題があるためです。ここでは成果が出ない典型的な理由を整理します。
① 出展する展示会をしっかり選定していない
中小企業の展示会出展において、毎年同じ展示会に出展していたり、主催者から勧められた展示会だけを選んでいるケースがあります。これでは来場者の顔ぶれが変わらず、同じ層へのアプローチに終始してしまいます。また、特定の展示会だけで出展を決定してしまうと、自社の見込み客が本当に集まる場かどうかを見極められません。成果を得るには、まず「どの展示会が最適か」を自ら調査・選定することが不可欠です。
② 事前準備を怠っている
展示会は準備の質が成果を大きく左右します。スケジュール管理を行わず、サンプル製作やデモンストレーションの準備を後回しにすると、当日のブースに十分な訴求力が生まれません。結果として来場者の関心を引けず、せっかくの機会を活かせないのです。特に町工場の場合、大手企業の部品製作を担っているケースが多く、守秘義務の関係でそのまま展示できないこともあります。そのため、新たにサンプルを設計・製作する必要があり、十分な準備期間を確保することが成果に直結します。展示会は「準備段階から勝負が始まっている」と心得るべきです。
③ 展示会当日に無理に声がけしてしまう
展示会当日に来場者に無差別で声をかけると、一時的には名刺が集まりますが、その多くは自社のターゲット外で、質の悪いリストになりがちです。その後のフォロー営業は非効率で成果にもつながりにくいでしょう。大切なのは「自然に足を止めた来場者」に訴求できるブース作りであり、声かけに頼らずとも関心を持ってもらえる仕組みづくりです。
④ 展示会出展後のフォロー営業をしていない
展示会で集めた名刺や来場者情報をそのまま放置してしまうケースも少なくありません。フォロー営業をしなければ、せっかくの展示会での出会いは「名刺交換だけ」で終わってしまいます。展示会後こそが商談化のチャンスであり、体系的なフォロー体制を構築することで、初めて成果に結びつきます。
以上のように、中小企業が展示会出展で成果を上げられない背景には、展示会選定の不十分さや事前準備不足、当日の無理な声がけ、さらにはフォロー営業の欠如といった共通の課題があります。
しかし裏を返せば、これらの課題を一つひとつ改善することで、展示会は確実に成果を生み出す営業手法へと変わります。
では、成果を100倍に引き上げるために中小企業が取り組むべき具体的なポイントとは何でしょうか。次に詳しく解説します。
中小企業が展示会出展の成果を100倍にするポイント
① 1000種類から展示会を選定する
日本では年間約1000種類もの展示会が開催されています。ところが多くの中小企業は、主催者側から提供される展示会情報や、自社の頭の中にイメージとして浮かぶ10〜20種類程度の展示会だけで選定してしまいます。それでは本当に見込み客が集まる展示会を見逃してしまう可能性が高いのです。成果を出すためには、業界や顧客層を踏まえて1000種類全体から調査し、自社に最も適した展示会を選定することが不可欠です。
展示会の選定方法についてこちらの記事「失敗しない!出展する展示会の選び方・探し方」をご確認ください。
② 計画的な事前準備を徹底する
展示会は「準備で9割が決まる」と言われます。出展日から逆算してスケジュールを組み、サンプル製作やブース装飾・レイアウト確認、デモンストレーションの準備に十分な時間を確保しましょう。さらに、スタッフの役割分担や想定質問集などを予め準備しておくことで、当日の運営がスムーズになり、来場者からの印象も格段に高まります。

出展準備の様子…実際のテーブルの大きさで展示サンプルを配置してみる
③ ブースの訴求度を高める
見込み客が自然と足を止める仕組みを作ることが成果に直結します。そのためには、関心を引くキャッチコピーを掲示したり、アイキャッチとなる出展サンプルを準備することが効果的です。さらに、ブース全体に統一感を持たせることで、来場者に安心感や信頼感を与えられます。無理に声をかけなくても、興味を持った来場者が自発的に立ち寄るようになり、結果として「質の高いリスト」が集まり、営業効率が大幅に向上します。また、スタッフがその場で商談内容を記録できるコンタクトシートを準備しておくと、展示会後のフォロー営業が格段に効率化します。

訴求度を高めたブースの例。ブースの訴求度を高めると、無理に声をかけなくても、興味を持った来場者が自発的に立ち寄るようになります。
④ 計画的なフォロー営業を行う
展示会で成果を上げる最大のカギは、終了後のフォロー営業です。名刺交換をした来場者については、コンタクトシートの記録をもとに、商談化の可能性や優先度に応じてランク付けを行いましょう。そのうえで、メール・電話・訪問といった具体的なアプローチ手段や実施タイミングを計画的に設計します。こうした体系的なフォロー体制を整えることで、展示会は単なるイベント参加ではなく、確実に成果を生む営業活動へと進化します。
まとめ:中小企業が展示会で成果を出すための4つの鉄則
中小企業が展示会出展の成果を100倍にするポイン
展示会出展が成果に繋がらない原因は、展示会の選定不足、準備不足、無理な声がけ、そしてフォロー営業の欠如にあります。
しかし、これらを改善し、
- 最適な展示会を1000種類から選定する
- 計画的に事前準備を進める
- ブースの訴求力を高める
- 徹底したフォロー営業を行う
この4つの鉄則を実践することで、展示会は「名刺交換の場」から「確実に成果を生む新規顧客開拓手法」の1つへと変わります。
中小企業にとって展示会は新規顧客との貴重な出会いの場です。
自社の展示会戦略を今一度見直し、次回の展示会で確実な成果をつかみ取りましょう。
中小企業の展示会出展はセールス・トータルサポーターズにご相談下さい
セールス・トータルサポーターズでは、小規模・中小企業向けに営業の仕組み作りや、営業のDX化支援、営業パーソンの育成、展示会出展を含めた新規顧客開拓支援などの“営業力を最大化するサポート”をしています。営業に課題を感じている小規模・中小企業の皆さまは、セールス・トータルサポーターズにお問い合わせください。

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