展示会とは?メリットや出展の検討ポイントを解説します
既存製品の新規顧客開拓や新製品・サービスのPRの方法として、展示会への出展を検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、展示会へ出展を検討されている方向けに、展示会出展のメリットや展示会の種類、展示会への出展を検討するときに最初にやるべきこと、などについてお伝えします。
展示会とは
展示会は、出展企業が自社の商品・サービスを紹介し、新規顧客の獲得や顧客ニーズの調査などの場を提供するイベントです。各展示会のテーマに沿って中小企業ならびに大手企業を含めた多くの出展企業が集まり開催されます。出展企業は自社の展示ブースを設け、自社製品・サービスを陳列するなどして、来場者にアピールできます。
2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響で中止になる展示会が増え、来場者数も激減しました。しかし、新型コロナウイルスの収束後は目的意識の高い来場者が多く集まるようになり、現在は中小企業の新規顧客開拓手法の1つとして更に重要度が増しています。
展示会のメリット
さまざまな種類の展示会が毎年開催されるのには理由があります。ここでは、展示会に出展するメリットを5つ紹介していきます。
①製品・サービスを直接見せることができる
展示会では展示品を準備することで、来場者に対し製品・サービスを直接見せながら明確に伝えることができます。例えば、町工場の金属加工品などは、自社サイトに写真を掲載したとしても表面の滑らかさや、複雑な形状などの表現には限界がありますが、展示会では金属加工品を直接見せることができるため、多少説明が苦手でもポイントが体感を持って伝わりやすいです。展示会は究極のダイレクトマーケティングとってもよいでしょう。
②普段は会えない担当者と合える
展示会には、様々な業種や職種の方々が来場されます。
例えば、中小製造業の普段の営業では、メーカーで主に価格交渉を主業務とする調達部や購買部などの方とは会うことが多いですが、製品の良さやメリットなど、価格以外の価値を訴求したい相手は設計部や開発部の担当者です。展示会では、設計部や開発部の担当者も多く来場するため、出展者側にとって千載一遇のビジネスチャンスの場と言えます。
③展示会の主催者が集客する未開拓の層にアプローチができる
小規模・中小企業の新規顧客開拓で難しいのは、新市場や新業界など“未開拓の層”に向けた新規顧客開拓です。展示会では、そのような“未開拓の層”を主催者側が集客してくれるため、出展者はその層へアプローチができます。例えば、狙いたい新市場や業界が決まっている場合は、専門展を選んで出展することで、ターゲット顧客にアプローチできます。また、総合展に出展すると様々な業界の関係者が多数来場するため、自社の製品・サービスが予想していなかった業界にニーズがあることに気づかされたりもします。
④既存顧客や業界に対しての信頼性の向上につながる
出展の本来の目的は新規顧客の獲得や新製品のマーケティング調査のことが多いですが、副次的な効果として、展示会に出展すると業界内での存在感や信頼性の向上に繋がります。展示会への出展を積み重ねることで、業界内の人たちへのイメージの醸成につながり、ブランド力の向上も期待できます。
⑤社員のモチベーションやノウハウの向上に繋がる
展示会出展をイベントの1つとして捉え、展示会の準備から当日運営・フォロー営業までを全社的に取り組むことで、社員のモチベーションやノウハウの向上に繋がります。
展示会の種類
展示会の種類は大別すると、異業種交流が目的の①総合展示会と、②専門分野の展示会があります。
①総合展示会
ビジネスマッチングや企業間同士の交流の場として行われる展示会です。様々な業界の幅広い職種の方が来場されるため来場者数は多い一方、ターゲット顧客に出会える可能性は低くなります。それでも、出展している競合他社も比較的少ないため、一定の成果に結び付く可能性があります。更には未開拓のターゲット層にアプローチできる可能性もあります。
②専門分野の展示会
業種・分野を特化した展示会です。その業界の関係者が多数来場されるため、異業種交流が目的の展示会に比べ、ターゲット顧客に出会える可能性は高くなります。ただし、競合他社も多数出展し競争も激しくなるため、ブースの訴求力を高めるなどの工夫が必要になってきます。
総合展示会 | 専門分野の展示会 | |
展示会例 | 新価値創造展(中小企業総合展)、メッセナゴヤ、たま未来・産業フェア | 機械要素技術展、国際ホテルレストランショー、ギフト・ショー |
展示会はどのくらい開催されているのか?
現在、日本国内で行われる展示会の開催数は年間で約1,000回と言われています(「見本市展示会総合ハンドブック2024」(見本市展示会総合ハンドブック2024 – 展示会とMICE (eventbiz.net))に掲載されている見本市展示会数は850 件。)。「産業機械・機器全般」、「計測・分析・検査・試験機器」、「電気・電子・通信・半導体」、「環境・エネルギー」「食品・飲料・厨房関連等」等、様々な業界で開催されています。
なお、これまで展示会は“BtoB”( 企業や団体)向けの展示会がほとんどでしたが、近年は、“BtoC”(一般消費者)向けの展示会も増えてきました。中には、「~多摩地域で最大級の中小企業の展示会~ たま未来・産業フェア (tama-innovation-event.jp)」のように開催1日目の金曜日は“BtoB”向けに、開催2日目の土曜日は“BtoC”向けにイベントが構成されている展示会も増えてきています。
展示会はどんな場所で開催されるのか?
大規模な展示会場としては、関東では、東京ビッグサイト(東京国際展示場)、幕張メッセ、東京国際フォーラム、大田区産業プラザPiO、パシフィコ横浜、中部では愛知県国際展示場、ポートメッセなごや(名古屋国際展示場)、関西ではインテックス大阪、九州ではマリンメッセ福岡などがあります。
また、各都道府県や地域にも中規模~小規模の展示会場があり、展示会が定期的に開催されています。
出展を検討するときに最初にやるべきこと
展示会への出展を検討するときに最初にやるべきことは下記の3つです。
①出展する展示会を選定する
展示会への出展を検討するときに最初にやるべきことは出展する展示会を選定することです。例えば、展示会出展の目的が新規顧客の獲得であれば、出展する製品・サービスを高付加価値と認めてくれる来場者(見込み客)が来場しそうな展示会を選定します。
なお、日本で開催されている展示会は年間1,000回と言われています。そのため、出展する展示会を選定するときは、出展案内など限られた情報からではなく、開催されている展示会をよく把握したうえで、適切な展示会を選ぶと良いでしょう。
展示会の選定方法についてはこちらの記事「失敗しない!出展する展示会の選び方・探し方」をご覧ください。
②出展に掛かる総費用を把握する
展示会への出展には、各会社の展示ブースの確保のための出展小間料という費用の他、壁面ポスターやタペストリーなどのブースの装飾費用、チラシや会社案内などの販促費、スタッフの人件費や移動交通費など多くの費用がかかります。費用を全て洗い出し、確保可能かを確認しておきましょう。なお、各都道府県で展示会出展にかかる費用の一部を助成する制度があります。そのような助成金制度が利用可能かなども確認しておきましょう。
③スケジュールを確認する
展示会への出展を成果に結び付けるには事前準備から当日運営、フォロー営業までを計画的に実施する必要があります。一方で、経営資源に限りのある中小企業では展示会のために専門のスタッフを配置することは難しく、展示会担当に選ばれた従業員は他の業務(主業務)をしながら、展示会の準備から当日運営、フォロー営業までを実施する必要があります。兼務をすると、展示会担当は主業務を優先することが多く、展示会の準備がどうしても遅れがちになってしまいます。
そのため、展示会への出展を検討する際は、スタッフ配置と事前準備から当日運営、フォロー営業のスケジュール表を作成してみて、無理なく実行可能かを確認しましょう。
まとめ
今回は、展示会へ出展を検討されている方向けに、展示会出展のメリットや展示会の種類、展示会への出展を検討するときに最初にやるべきことについてお伝えしました。本記事を参考にして、展示会への出展の検討材料にしてください。
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